ども。おーはしです。
前回の記事でも書きましたが、娘に偉そうに作文のアドバイスをしたので、調子に乗って自分でも書いてみました。
一応、娘の作文と同じ400字詰原稿用紙3枚分の文字数。
同じ文章を書くと言ってもブログと違って、作文って意外と難しいですね(汗)
----- 以下 作文 -----
「ふたり」 福田隆浩(著)
「人を好きになるってこうゆう事だったよな……」
この本を読み終えた時、僕の心はとても温かい気持ちに包まれていた。
僕はもう30歳をとうに超え、恋愛も人並みにしてきたつもりだ。でも大人になるにつれ、純粋に人を好きになるという気持ちがどんなものだったのか、忘れてしまっていたように思う。この本は僕に、そんな「人を好きなる」という気持ちを改めて思い出させてくれた。
主人公は、おとなしい性格で人にものを強く言うことが出来ない准と、転校生でいじめられっ子の佳純。一冊の本をきっかけにして、一人の小説家の謎に二人で挑むうちに芽生える恋心が、とても初々しくて微笑ましい。
僕らは大人になって異性と交際するようになったり結婚したりすると、相手にいろいろな事を求めるようになってしまう。誕生日には誕生日プレゼント、結婚記念日には豪華なディナー、バレンタインデー、クリスマス。付き合っているんだから、好きなんだから。それが「人を好きになる」という気持ちだと錯覚してしまっている。
「またここで会いたいね……」
物語の序盤で准が佳純に対して口に出来なかったこの一言。僕の心の中にとても懐かしいものが蘇った気がした。
そう、まだ若かった頃は、単純に好きな人に「会いたい」って思っていたものだ。あそこに食事に行って、次はここのお店に行ってなんて考える前に、ただ単純に好きな人に会いたかった。理由なんて無い、自然とそんな「会いたい」という気持ちが沸き上がってきたのだ。
准が佳純との図書館デートを続ける口実を見つけて興奮するシーンや、クラスのみんなに内緒で佳純と会話するために指文字を利用するシーンでは、僕は読みながら少しニヤついていたかもしれない。懐古主義と言うわけではないが、「あった!あった!こんな気持!」と思わずにはいられなかったのだ。
そんな初々しい恋心は、人を大きく成長させる。
いじめにあう佳純を最初は影から助ける准が、次第に堂々と勇敢に佳純を助けるようになる。最後には、いじめっ子たちと直接対峙するまでに心を強くする。
好きな人のために何かをしてあげたいと言う気持ちは誰にでもあるだろう。だけど、准の気持ちは、それとは少し違うのだと思う。僕らが恋人にプレゼントを送るとき、無意識のうちに相手の喜ぶ顔や感動の言葉を期待しているように思う。准の行動にはそれがないのだ。
「愛とは、自分より他の人のことを想うことだよ」
今流行の「アナと雪の女王」に出てくるセリフだが、まさに准の行動は自分より佳純のことを思っての行動だったのだと思う。
簡単そうで意外と難しい行動なのではないだろうか。佳純を助けることで、自分までもがいじめの標的になってしまうかもしれない。それを承知のうえで、いじめっ子たちと対峙する准は、男の僕から見てもとても格好いい男だ。
僕はこの本を読んで「人を好きになる」という気持ちを改めて思い出すことが出来た。あの心の底から湧き出てくる温かい感情とみなぎる勇気。「人を好きになる」ということはとても奇跡的で貴重な体験なのだ。
娘たちよ。たくさん恋をしなさい。
「人を好きになる」ってのはいいもんだぞ。